210911書評★★★障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本 ダウン症の娘をもつ「相続のプロ」が明かす財産管理のしくみ 単行本(ソフトカバー) – 2020/8/19

閲覧数
  • 33閲覧数:
書評

グループホームを作る流れで、この本を買いました。珍しく新品です。

アマゾンでの評価はすごく高くて、4.4もあります。評価のほとんどが星5個。どれだけ素晴らしい本なのかと思ったのですが、私には馴染めませんでした。

理由1:前提条件が疑問

この本は

・ダウン症の娘=成人すると絶対後見人が充てがわれる

ということが全ての前提で本が書かれています。未成年のうちは親権があるので後見人は不要だが、成人すると銀行や役所から後見人を求められ、それを拒否できないような書きぶりです。著者の理解(私が受け取った印象ですが)では「後見人がつくと娘の判断は無視され、権利は消滅し、金銭は後見人が使い込んでしまうから後見人は絶対避けたい」。

現在16歳である娘さんの知的水準は簡単な読み書きに加えて計算も少しできると書かれている。それだけ知能があるのに成人=後見人制度なのか。

後見人をつけるのは義務ではなく、関係者からの申告によるものです。読み書きできる程度の知能があるなら、両親のうちどちらかがまだ元気なうちは後見人をつけなくてもいいはずです。

この著者の、先を見越した行動は素晴らしいとは思いますが、ただ一つの考え方にすぎません。前提条件が異なれば自ずと結果も異なってきます。なので星を3個としています。

 

理由2:考えただけで運用はされていない

こちらのほうが重要かもしれません。

この本に書かれていることは、作者が先を見越して構築しただけで、実際の運用は2年後からになります。「机上の空論」で終わる可能性があります。

 

理由3:暗い

成人になる→後見人がつく→娘は人として扱われなくなる、という思想ですので、救いがどこにもないのです。読み進めるのが辛くて、私は半分でギブアップしました。

 

一緒に買った「障がいのある子が「親亡き後」に困らないために今できること」のほうがずっと納得できました

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました