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V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
2012年頃購入
名著の誉れ高い本で、改訂版も出ています。著者が実際に経験した事例をいくつかまとめて書いたもので、強い説得力を持っています。
後書きにはフォークリフトや建設重機でおなじみの「コマツ」で起こったことをほぼそのままなぞって書いてあり、それに他社での経験を加えたとのことです。赤字垂れ流しでも抜本的な改革ができず、その場限りの改変に終始するところは、ニュースや雑誌で見るものと同じです。この状況に危機感を抱いた社長が関連会社に出向していた役員を呼び出し、全権を委任して改革を行って行く、という筋です。
この本から分かることは、
・改革の成否はトップ次第
・組織がどれだけ淀んでいても、やる気がある/できる奴は必ず潜んでいる
ということです。いくら主人公がアイディア・実行力とも優れていても、組織のトップが認めなければ改革は成功しません。
アメリカの自動車ビッグスリーだったクライスラーを建て直したアイアコッカという社長の自伝を読んだことがあります。アイアコッカはクライスラーに入る前にはフォードの社長をしていました。傾いて行くフォードの業績を上げようと数々の改革を行い、実際に業績は上向いたのですが、創業家のフォード一族に実力を妬まれて首になってしまいます。直後にクライスラーに移り、クライスラーのV字回復を成し遂げます。このアイアコッカの例もこの本と良く似ています。
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