220326家賃滞納→建物明渡訴訟→立ち退き

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概要

先週、1年分の家賃を滞納した店子を裁判で追い出したので、その経過を紹介します。店子である被告は自己破産申請中で弁護士がついており、弁護士に命じられて初公判当日に立ち退いたものです。強制執行まで行かなかったことは幸運でした。

建物明渡訴訟を起こそうと思っている方(原告)へ

・3ヶ月滞納で裁判を起こすべき(私の強烈な反省点)
・130万円以下なら簡易裁判となる
・弁護士不要。専用の訴状は裁判所でもらえるし必要な書類も裁判所で教えてくれる。訴状受理まで3回裁判所に行くと思えば良い
・費用は1万円かからない(強制執行まで行くと20〜100万円程度かかるようだ)
・最初に内容証明郵便とレターパックライトで滞納者へ送付。その後資料を揃えて裁判所へ
・公判は1ヶ月に1回。原告の都合が優先される。


訴状。ネットからダウンロードして下書きしていったところ、簡易裁判所に建物明渡事件専用の3枚複写用紙があったのでそれをもらって書きました。こんな用紙があらかじめあるところを見ると、明渡訴訟はとても多いことがわかります。

被告

この被告は55歳女性で、佐藤泰裕が保証人も付けずに入居させたものです。まあそれを許した私も悪いのですが。

 

ちなみにこの部屋はこのアパートの中で最も奥まっていて日当たり良好の、一番いい部屋です。


最初のうちはちゃんと働いていたらしく1年くらい順調に家賃を納めていました。その後滞納が始まりました。

払ったり払わなかったり、払うときは2ヶ月分くらい払ったりで、どんどん滞納額は増えていきました

 


タワー不動産のもの。契約は2018年4月7日。緊急連絡先には男の名前がある。連帯保証人は空欄

2021年10月の時点で37万円あまりの滞納。
あまりのルーズさに、管理会社では覚書を作ってくれた

裁判を起こすきっかけ

管理会社の担当者も被告に熱心に働きかけてくれて、家賃をたまに入れてくれていたのですが、2021年12月に被告が破産申立てをすると弁護士を通じて管理会社に連絡がありました。この弁護士、最初は「住む限りは家賃は払い続ける」と言っていて、滞納分は回収できなくてもこれからは順調に家賃が入ってくるのだろうと安堵したら、2022年2月4日には弁護士は「支払い能力がないから払わない」との文章を寄こしました。

すぐ弁護士に電話し、(部分的な生活保護(収入が落ちた時に保護金をもらう)と聞いていたので)「市役所で「生活保護費から家賃を振り込む手続きは取れないのか」と質問すると

「そういう手続きは知らない。」「被告は現在ダブルワークをしており役所に行く時間がない」

さらに「破産認定までどれくらい時間がかかるのか」と質問すると

「半年以上かかる」

つまり、あと半年は家賃が取れないということです。

弁護士に「わかりました。裁判を起こします」と宣言し、すぐ裁判手続きに入りました。

 


裁判準備

ネットで調べてその通りに準備をしました。私は過去何度も裁判を起こしていますし、滞納額は140万円以下の簡易裁判に該当しますので、弁護士は立てずに自分で裁判を起こすことにしました。

絶対必要なのが内容証明郵便です。内容は「XXまでに支払え」「支払わない場合は賃貸借契約を解除する」の2点です。今回は郵便を出すのが2022/2/8なので、約1週間後の2022/2/16を期限として契約解除としました。

↓下記の内容証明郵便の上にはレターパックライトの確認番号が貼ってあります。これは管理会社から「内容証明郵便を受け取らない奴がいるので、保険として配達証明のついた郵便で書類を出し、この配達証明を証拠として裁判所に提出しなさい」とアドバイスを受けてのものです。

つまり出した郵便は
・内容証明郵便+配達証明付き
・レターパックライト
・普通郵便
の3通。中身は同じです。

 


これを出したところ弁護士から2022/02/14付で牽制するような内容証明郵便が来ました。これを見ると「いずれ退去はする。それまでは大人しく置いておけ。法律を知らないバカが!!」という内容なので、訴訟を急ぐことにしました。


2022/4/14弁護士からの内容証明郵便。家賃払う気ないのによく言うわ。という内容。鍵交換の件は弁護士に言われなくても法律的に知っていますよ

訴状作成

建物明渡請求の雛形はこちらにあります。

裁判所

 

私はこの雛形に手書きし、2022/02/17木曜日13:30に簡易裁判所へ持っていきました。そこで添削を受けたあとに3枚綴りの専用訴状を貰いました。夜に家で専用訴状に清書をし、翌日2/18金曜日午後1時に旭川市役所に市役所で不動産課税額証明書をもらい、その足で裁判所へ行って買うべき切手と収入印紙の金額を教えてもらって郵便局へ。切手と収入印紙を買って裁判所へ戻って訴状を受理してもらいました。裁判所へは3回行ったことになります。

提出した添付書類は下記の通り。原本とコピー2部を裁判所へ持参します。裁判所で確認を受けた後、原本は原告が保存、コピー1部は裁判所保存、1部は被告へ送付されます。

(1)裁判所指定書類
・固定資産課税台帳登録事項証明書:市役所で発行してもらう。建物登記分だけで良い。土地登記分は不要。手数料400円くらい
・登記事項証明書(登記簿謄本):法務局で発行してもらう。建物登記分だけで良い。土地登記分は不要。手数料450円くらい
・契約書:横領犯罪者タワー佐藤泰裕時代のもの
・内容証明郵便:上記「裁判準備」で示したもの
・配達証明書:上記「裁判準備」で示したもの
(2)追加書類
・覚書:上記「被告」で示したもの。被告が家賃滞納した場合が即刻部屋を明け渡すという内容
・代理人書類:上記「裁判を起こすきっかけ」で示したもの
・債権確認書:上記「被告」で示したもの



初公判

2022/3/17の初公判前日に弁護士から書面が届きました。当日は出席できない、原告の請求は認めない、理由は追って文章で知らせる、という、原告を全く無視したものです。

2022/3/17初公判

2022/3/17初公判

 

裁判当日もこの文面のため、裁判官と少し話したのと次回の公判日(2022/4/22 fri 15:00)を決めただけでした。

以前雨漏りを訴えた時もそうでしたが、裁判はとても時間がかかります。どうにかならないんでしょうかね


弁護士からの答弁書。この紙一枚のために、私はただ裁判官に挨拶をしただけで時間を浪費することになった

被告 退去

初公判の日の午前9時に管理会社から電話があり、「被告が『弁護士の命令により部屋を明け渡すので退去立会いの日を決めたい』と言ってきた。『もうすでに荷物は運び出した』とも言っている」との報告を受けました。

私は訴状に「仮執行の宣言を求めます」と書きました。もしも裁判官が初公判で仮執行の宣言を許可すれば、その日のうちに部屋の物品が差し押さえられる可能性があります。弁護士は万が一の危険を考えて、初公判の時間までに退去を完了させるように被告に命じたものと思われます。

翌朝2022/3/18金曜日午前5時に部屋を見てきました。



退去確認と訴訟取り下げ

初公判の翌日早朝に合鍵で部屋に入り、本当に退去していることを確認しました。

すぐさま鍵を交換。被告が二度と部屋に入れないようにしました。

2022/3/23水曜日午後に簡易裁判所へ行って、裁判の取り下げをしました。A4版の取り下げ書2枚に名前を書いてハンコを押すだけで終わりました。

取り下げた理由は
・建物明渡は完了した
・破産申請中の人間から金を取ることは不可能


終わりに

以上が私の建物明渡訴訟の顛末です。これを読んでくださった皆さんへ

・滞納が3ヶ月になった時点で裁判を起こしましょう

・裁判は簡単です。自分一人で大丈夫です。弁護士は不要です。

今回の被告は、たまに家賃を払ってくれていたことから結局は滞納額が40万円にもなってしまいました。皆さんには私のような損害を被らないうちに行動してください。


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